sannigoのアラ還日記

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映画「バーニング 劇場版」原作は村上春樹氏。あらすじと観ての感想。

こんにちはsannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。

だいぶ秋らしくなってきて、紅葉がきれいな茨城県の「竜頭の滝」などの景色がテレビに映し出される季節がやってきました。『読書の秋』『芸術の秋』ということで、今回は読書を絡めた映画の感想を書いていこうと思います。

 

最近ちょっとハマってしまって、続けざまに読んでいるのが「村上春樹」さんなんですが『1Q84』から始まり、『ノルウェイの森』『羊をめぐる冒険』『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』までで、まだまだ読みたいという欲望が身体に渦巻いている感じです。

 

村上春樹さんの小説がまさか映画化されていないよね?と軽く検察してみたら、すでに数本映画化されてるじゃないですか?これはいかん!ということで今回は村上春樹原作の「納屋を焼く」を原作の映画「バーニング 劇場版」を観てみました。

 

今回初めて観たつもりでしたが、実は衝撃的なラストのシーンに記憶があって「これ、もしかして過去に観てるじゃん」ってことで、結局2回目に観た感想になります。

 

「バーニング劇場版」が村上春樹の小説の映画化であることを知らなかったこと、しかも原作者の村上春樹に興味がなかった頃に観た前回と原作や原作者にかなりの興味を持って観る今回の感想はだいぶちがっています。

 

今回「バーニング 劇場版」を観ることで、前回観た時にどうして何の印象も興味も持たなかたんだろう?という疑問も解決していければと意気込んで観ての感想なので、ぜひお楽しみに!

 

映画「バーニング 劇場版」原作は村上春樹氏。あらすじと観ての感想。[写真AC]

 

 

映画「バーニング 劇場版」

 

バーニング 劇場版(字幕版)

 

原作はたくさんのファンを持ち、今回も逃したけれども「ノーベル文学賞」をいつかはきっともらえると信じられている村上春樹の短編小説「納屋を焼く」で文庫本30ページほどの作品を映画化したもの。

 

昨年のカンヌ国際映画祭では「万引き家族」とパルムドールを競い合ったという韓国映画です。

 

さらに2010年の「ポエトリー アグネスの詩」以来となるイ・チャンドン監督の久々の新作ということや「ウォーキング・デッド」に出演したスティーブン・ユァンが出演者のひとり謎の多い金持ちの男ベンを演じていることなど、ファンが喜ぶ要素が集約した作品がこの「バーニング 劇場版」です。

 

村上春樹の世界観と韓国で制作された意義なども考えると、観る人の気持ちや原作からの思い込み、期待感などでたくさんの捉え方ができる映画です。

 

ミステリーの要素もふんだんに散りばめられているのに結局答えが何ひとつ提示されていないという「あなたの受け取りようでどんな映画にもなれますよ」そんなミステリアスで少し小難しい映画になっています。

 

やっぱり一番興味深いのは「万引き家族」とパルムドールを争ったことで、どの辺が「万引き家族」と違うのかな?と比べるのもおもしろそう!

 

映画.comの評価


☆3.6

 

映画.comの評価は割と渋めですね。上映後、村上春樹氏の小説との対比で気に入らないという書き込みも目立ったという話も聞きますから、このくらいの評価に落ち着くのかも知れません。

 

解説

 

「シークレット・サンシャイン」「オアシス」で知られる名匠イ・チャンドンの8年ぶり監督作で、村上春樹が1983年に発表した短編小説「納屋を焼く」を原作に、物語を大胆にアレンジして描いたミステリードラマ。

 

アルバイトで生計を立てる小説家志望の青年ジョンスは、幼なじみの女性ヘミと偶然再会し、彼女がアフリカ旅行へ行く間の飼い猫の世話を頼まれる。

 

旅行から戻ったヘミは、アフリカで知り合ったという謎めいた金持ちの男ベンをジョンスに紹介する。

 

ある日、ベンはヘミと一緒にジョンスの自宅を訪れ、「僕は時々ビニールハウスを燃やしています」という秘密を打ち明ける。

 

そして、その日を境にヘミが忽然と姿を消してしまう。

 

ヘミに強く惹かれていたジュンスは、必死で彼女の行方を捜すが……。

 

「ベテラン」のユ・アインが主演ジョンスを務め、ベンをテレビシリーズ「ウォーキング・デッド」のスティーブン・ユァン、ヘミをオーディションで選ばれた新人女優チョン・ジョンソがそれぞれ演じた。

 

第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、国際批評家連盟賞を受賞。

 

2018年製作/148分/PG12/韓国

原題:Burning

配給:ツイン

公式ページ:『バーニング 劇場版』

 

スタッフ

 

監督

イ・チャンドン

製作

イ・ジュンドン  イ・チャンドン

原作

村上春樹

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

脚本

オ・ジョンミ  イ・チャンドン

撮影

ホン・ギョンピョ

美術

シン・ジョムヒ

衣装

イ・チュンヨン

音楽

モグ

キャスト

イ・ジョンス:ユ・アイン
ベン    :スティーブン・ユァン
シン・ヘミ :チョン・ジョンソシン

 

引用元:バーニング 劇場版 : 作品情報 - 映画.com

 

あらすじ・感想

 

私の勝手な採点


☆3.2

 

村上春樹氏原作の映画ということで、かなり気合を入れて観たのですが、謎が謎を呼びすぎて観終わってからのスキッリできない感が強すぎたので今回は☆3.2にさせてもらいました。

 

あらすじと感想

 

韓国の巨匠が村上春樹の短編小説(文庫本で30ページほど)を148分の映画にした理由は?そこを考えながらじっくり観た映画です。

 

アルバイトで生計を立てているらしい小説家志望でちょっと愛想のない青年ジョンス(ユ・アイン)が同じ北緯38度線付近で育った幼なじみでスタイル抜群の女性ヘミ(チョン・ジョンソシン)と偶然再会したところから始まります。

 

再会したすぐにはジョンスはヘミに気づかなかったのに、ヘミはすぐに気づき自分からジョンスに近づき、呑みに誘い出し手慣れた様子でリードしてふたりは結ばれます。何となくヘミは遊び慣れている感じでジョンスにはどうかな?

 

ジョンスが満面の笑みで受けたヘミからの頼まれごとは、アフリカ旅行へ行く間の飼い猫の世話でした。ヘミとの出会いがかなりうれしかったのか、ヘミを好きになったのかジョンスはしっかりと彼女の住まいに出かけ猫のお世話をするんです。

 

そんなジョンスの日々の生活が淡々と描かれているうちに、観ているこちらにもジョンスにとってのヘミの存在が唯一の心の拠り所になったのかな?って頃に、ヘミにアフリカで出会った謎の男ベン(スティーブン・ユァン)を紹介されます。

 

ここから主人公が男女3人になったことで、ジョンスの希望が少しづつ打ち砕かれていきます。このヘミの彼氏であろうベンは好青年風で高級車に乗って高級マンションに住み、ジョンスと比べると生活レベルから顔面レベル、年齢までが上位という、存在だけでもすでに勝つ見込みのない恋敵という感じで登場します。

 

実はジョンスはすぐに怒るという父親に嫌気がさした母親に捨てられています。そのすぐに怒る父親は暴力事件を起こして裁判中。それでも父親のための嘆願書にサインをしてもらうためには、近所の大人たちに頭を下げて回るのがジョンス。

 

しかも小説家志望というけど小説を書いている様子もない。なんともジリ貧で可愛そうな感じですが、ヘミへの想いや楽しかった頃を思い出しながらも恋敵ベンという存在も認めながら淡々と生きているように見えます。

 

ところがある日ベンが車でヘミと一緒にジョンスの家を訪れます。大麻を回してむせるジョンスにへっちゃらなベン。ハイになって服を脱いで踊り始めるヘミをふたりはそれぞれの思いで眺めています。

 

踊り疲れてヘミが眠ったあと、ベンは夕暮れ時の淡い光と闇が溶け合ったマジックアワーの素敵な景色の中、ジョンスに秘密を打ち明けます。「僕は時々ビニールハウスを燃やしています」と。

好青年に見せているけど、何か闇を抱えているのかもと思っていたベンが、やっとその一部分を見せたのがこの時。その晩以降、ジョンスの周りで不思議なことが起こり始めます。

 

ヘミが突然消えてしまってからのジョンスは狂おしいほどの情熱でヘミの行方を探します。やりきれない想いが感じられ、熱情のまま何かに突き動かされている感じがせつない。

 

この事件の真相はやっぱりベンにあるのか?

 

ベンの周辺を嗅ぎ回ったり、ビニールハウスの巡回をしているうちに、徐々にジョンスには想像もできないような社会の闇みたいなものが見えて来たようです。が、観客である私にはベンがどんな職業でどんな家庭で育ち、なぜあんなにお金持ちで、いつも穏やかに微笑んでいたのはなぜなのか。などと疑問だらけです。


一番大事なヘミはどこへ?

 

ラストは、あのジョンスが・・・。これからご覧になられる方はお楽しみに♪

 

口コミではどんな感じでしょうか?

 

あちこちで気になる評論や口コミを発見したので載せておきます。

 

いわば、これは韓国における若い世代の失業や格差といった経済問題を取り込んだ三角関係の青春映画であり、イ監督は社会の底辺を漂流するジョンスの内なる鬱屈した感情を狂おしいほど生々しくあぶり出す。

 

ところが本作がいっそう興味深いのは、原作小説に欠落していたその狂おしさがひたすら空転し、ジョンスとともに観る者を不穏に謎めく映画的迷宮の奥底へと引きずり込んでいくことだ。

 

至るところにちりばめられたメタファーと伏線。

 

例えば、そこに“ない”ものを“ある”ように見せかけるパントマイムをめぐる禅問答のようなエピソードは、現実と虚構の境界線が曖昧なメタ構造を持つこの映画の特異性を象徴する一方、生きる意味とは何かという深遠なテーマのヒントを仄めかしているようにも読み取れる。

 

また中盤過ぎには、夕暮れ時の淡い光と闇が溶け合ったマジックアワーの素晴らしい長回しショットがあるのだが、その場面を転換点としてストーリーが激しく捻れ出す。

 

3人の登場人物のうち、ひとりが突然消失してしまう謎。

 

そして納屋ならぬビニールハウスを定期的に焼くのが趣味だと言い放つベンの謎。

 

この一見関連性のないふたつのミステリーが脳内で結びついたとき、視界不良の霧の中にさまよい込んだ私たち観客は、それぞれ朧気な“答え”を夢想することができる。

 

先にNHKにて吹替で放映された短縮バージョンでは終盤がばっさりカットされていただけに、ぜひともこの劇場版の底知れなく深い迷宮に身を委ねてほしい。
                      

(高橋諭治)     

 
引用元:バーニング 劇場版 : 映画評論・批評 - 映画.com

 

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最後に

 

何が原因であの結末だったのか?あのラストシーンの意味は?などなど、全く答えが見えてこないのでモヤモヤが止まりません。

 

誰かすべての謎を解明して私をスッキリさせてくださいませんか?

 

前回観た時には何の興味も感想も持たなかったこの映画ですが、今回は村上春樹の原作で韓国の監督が30ページほどの短編小説を148分ほどの大作にしたという刷り込みありきで観た結果、すべてがミステリーな気がして必死で真相を探すことに終始しました。

 

納屋はビニールハウスに。ジョンスとヘムの11歳の年齢差はなくなっていた。ことぐらいしか気づけませんでした。

 

これからご覧になる皆様へ。

わたしではどう考えても答えが見つからなかったミステリー映画です。ぜひ、じっくりご覧になって楽しみながら答えを見つけてくださいませ。

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。では、またです。

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