🕖2021/12/08 🔄2022/09/27
こんにちはsannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。
そろそろ、今年も「おせち料理」のことを考えはじめなくてはいけない時期がやってきました。最近はおせち料理もネットで購入する人が多いと聞きます。
「おせち料理」の早割の情報は、早ければ8月後半には流れてきて「あらまあそんな時期なのかしら?」とびっくりします。
アラ還な私もちょっとしたおせちをスーパーでの加工品も含めながらですが、一応は毎年作っています。というか、詰めています。が、今年こそはネットで購入してのーんびりと年末・年始を過ごそうかしら?と考えています。
そこで、今回は「おせち料理」の由来や食材の意味合いをくわしく調べていこうと思っています。由来や意味合いを知っていれば、家族団らんのお正月に自慢気にお子様たちに披露することもできます。
では、さっそく「おせち料理」とは?から始めましょう。
おせち料理とは?
おせち料理は皆さんもよくご存知のようにお正月に作られるお料理のことです。おせち料理の始まりは、1000年以上前の平安時代と言われています。
本来は季節の変わり目の節句に歳神様のお供えするためのお料理でしたが、現在は正月三が日に食べるお料理になりました。
ご家族や年始回りにいらっしゃるお客さまの繁栄を願うために食べるもので、神様がいらっしゃる間は煮炊きは控えるいう考えや、いつも忙しい主婦が正月くらいは炊事をしないでゆっくり過ごすためと言う考えもあるようです。
もともと「おせち料理」とはお正月だけに食べる物ではなく、元旦や五節句などの節日を祝うためのお料理で「御節供(おせちく)」と呼ばれていたそうです。
季節の変わり目などに祝い事をする日を「節日(せつにち)」と言い、中国では唐の時代に一年を竹のように節で区切り特別な日を「節」と呼んだことから、日本もこれに倣ったとされています。
その節日に、宮中で儀式と宴会が開かれることを「節会(せち)」と言ったようです。
神様に供える食べ物のことを「節供(せちく)」と呼んだようで、おせちは、この「御節供(おせちく)」が略されたものです。
江戸時代になると元旦や五節句などの節日を祝う行事が、広く一般庶民にも広がりました。「節日」が幕府によって正式に祝日として制定され、幕府の公式行事となったからです。
それが、今も呼ばれる「五節句」です。この五節句とは、季節の草木をもって、下の5つとされています。
①1月7日(人日/七草の節句)
②3月3日(上巳/桃の節句
③5月5日(端午/菖蒲の節句)
④7月7日(七夕/七夕祭り
⑤9月9日(重陽/菊の節句)
※1月1日は別格とされ、1月7日が節句に取り入れられています。
このように御節(おせち)の名前の由来とされている「御節供」は、五節句の節日に神様に供えるものであったと考えられており、御節(おせち)に由来しているそうです。
また、節日には神様に供えたものを家族で食する会が行われ、それぞれの季節の節日に出された食べ物をもともとの「おせち」と言っていたとのこと。
一説では、一般庶民には年に5回も御祝いができる余裕がなかったから、五節句でも一番大事なお正月に出される豪華な料理を「おせち料理」と呼ぶようになったとも言われています。
また、現在の正月料理(おせち)の原型は、江戸時代の武家作法が中心となって作られたとも言われ、年始のあいさつに訪れたお客や家族の間で食べられたようです。
今のように重箱に料理を詰めるようになったのは、江戸時代後期から明治時代になってから。縁起物であるごちそうを重箱に詰めることで「幸せを重ねる」という意味合いを持たせたようです。
また、ふたを閉められるので保存しやすく、ご挨拶に来たお客様にもそのまま振る舞えるというメリットもあったと考えられます。
おせち料理をいただくお祝箸は「柳箸」です。両方が食べ口になっていて、おせちをいただくのと反対側では歳神様にも召し上がっていただくといういわれもあり、両端が細く丸くなっています。
おせち料理が入った重箱の蓋を開けると、そこには伊勢海老や黒豆、数の子などの定番の食べ物が並んでいます。
本来はそれらの食べ物一つ一つにちゃんとした意味があるらしい、ということには気づいていましたが、説明できるほどの知識がないので調べてみました。
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おせち料理一つ一つにも意味がある
一般的にはそれぞれに縁起物としての意味がありますが、お正月の行事と同じように、五穀豊穣や無病息災、子孫繁栄などを願う想いがおせち料理には込められているそうです。
おせち料理は、新年を祝う3品の「祝い肴(いわいざかな)」、酒のつまみになる「口取り(くちとり)」のほか、魚介を使用した「焼き物」、根菜などを使用した「煮物」、酢で味付けした「酢の物」の5種類に分けられます。
《5段の重箱なら》
・壱の重:祝い肴と口取り
・弐ノ重:焼き物
・参の重:煮物または酢の物
・与の重:酢の物または煮物
《3段の重箱なら》
(最近はこちらが一般的なようです)
・壱の重:祝い肴と口取り
・弐ノ重:焼き物と酢の物
・参の重:煮物
残りは好みで振り分けてきれいに納まればOK!買い求めたおせち料理でも、食べ進めて隙間ができて詰め直すときには、こういった詰め方を知っていれば参考になります。
祝い肴三種あるいは三つ肴と呼ばれるもの
おせち料理の基本といえる「祝い肴三種」というものがあり、「三つ肴」とも言われますが、完全を意味する「三」に通じているとか。
関東と関西では「祝い肴三種」として知られる食べ物が少し変わっています。
◯関東:黒豆・数の子・ごまめ
◯関西:黒豆・数の子・叩き牛蒡
とされ、関東はごまめ、関西は叩き牛蒡の違いがあります。他にも、紅白のかまぼこや伊達巻、栗金団やお多福豆がこれに当たります。
【焼き魚】は、鰤(ぶり)の焼き物・鯛の焼き物・海老の焼き物・鰻(うなぎ)の焼き物です。関西には、三が日の間は箸をつけない尾頭(おかしら)つきの鯛を焼いたものを重詰めする風習(睨み鯛)があります。
【酢の物】は、紅白なます・ちょろぎ・酢蓮根の3つがあげられます。
【煮物】には、昆布巻き・陣笠椎茸・手綱こんにゃく・芽出しくわい・花蓮根・矢羽蓮根・八ツ頭・金柑・梅花にんじんがあげられます。
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「子孫繁栄」の意味を持つおせち料理
子宝に恵まれ家族が幸せでありますように!という意味を持つおせち料理には数の子をはじめとしていろいろあります。
~数の子~
かつてニシンを「カド」と呼び、その腹子なので「カドの子」となり、それが「カズノコ」と呼ばれるようになったのが名前の由来とされています。
ニシンを「二親」として、魚卵は卵の数が多いことから、子孫繁栄を願う縁起物とされています。
~ほんだわら~
「穂俵」「神馬藻」などと表示され、あしらいなどに使われる海藻の一種です。
藻に多くの胞子をつけている様子が、たくさんの子どもを抱えているように見えることから子孫繁栄につながるとされる縁起物です。
~昆布巻(こぶまき・こんぶまき)~
「こぶ」は「よろこぶ」に通じるとして「養老昆布」と書き、「広布(ひろめ)」とも呼ばれ「広める」につながる縁起物として使用されます。
北海道の特産の昆布は「夷布(えびすめ)」の名もあり、七福神の「恵比寿様」を連想して「福を授かる」という意味も含まれているようです。
また、「こぶ」に「子生」の当て字をして子孫繁栄を祈願します。中に「二親」と書くニシンを巻いて両親のの長寿も願います。
このように、昆布は多くの語呂合わせが見られる縁起物です。
~八つ頭~
里芋の品種の一つで、大きな親芋と子芋が分かれずにくっついているのが特長で、里芋は子芋がたくさんつくことから、子孫繁栄の縁起物とされています。
~煮しめ~
煮しめは根菜を中心とした食材を一緒に煮込むことで、煮しめ自体に「家庭円満」の意味が込められています。
~くわい~
最初に大きな芽が出ることから、出世(芽が出る)ことを願ってという意味があります。
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「五穀豊穣を祈る」という意味を持つおせち料理
農耕民族だった日本において、昔から五穀の豊穣を願うことはとても一般的なことでした。収穫した穀物に感謝の気持ちを示すための行事として、五穀豊穣を祈る神祭りが今も続いています。こうした五穀豊穣を祈るためのおせち料理の代表が「田作り」です。
~田作り~
その昔、片口鰯(かたくちいわし)を田んぼの肥料にしたところ大変豊作になり、5万俵もの米が収穫できたことから、田を作ることにちなみ「田作り」と呼ばれています。
~ごまめ~
五穀豊穣を願い「五万米(ごまめ)」の字を当てる縁起物です。
ごまめは小さくても尾頭付き(頭から尾まで完全に揃う)のため、縁起がよいとされ、完全は終わりまでを全うするという意味があり、よい一年が送れるということにつながっています。
~小肌粟漬(こはだあわづけ)~
コハダなど表面が青白く光っている小魚の頭、わた、骨を抜き、塩でしめたあと酢に漬けたものです。
黄色のつぶつぶはクチナシで染めた粟で、五穀豊穣を願っています。
~なまこの酢漬け~
俵の形に似ていることから豊作を祈願しています。
「健康で長生きすることを祈願する」意味を持つおせち料理
~黒豆~
黒豆には邪気を払い、黒く日焼けするほどマメ(勤勉)に働けるようにと願いが込められています。
そもそもマメは健康を意味するものでもあり、いつまでも健康でいられるようにとの願う、おせち料理には欠かせないものの一つです。
~チョロギ~
シソ科のチョロギは、地下に伸びた「塊茎(かいけい)」の部分をゆでた後、梅酢に浸して着色します。
チョロギは「長老喜」や「長老木」「千代呂木」などの字を当て、黒豆に添えてマメに働き、健康で長生きすることを祈願します。
「金運を呼ぶ」という意味を持つおせち料理
~栗金団(きんとん)~
もともとは中国から伝わり、金飩と書いて「こんとん」と呼び、それが後に「金団」になったとも言われています。
鮮やかな色が小判や金塊に似ているため、金運の上昇を願っていただき、黄金に例えて豊かな一年を願う、金運を呼ぶとされる縁起物です。
また、栗を臼(うす)でむく作業を「かつ」ということから、栗は「勝ち栗」と呼ばれ勝負に強い縁起物とされています。
~たたきごぼう~
根を深く張るごぼうは、家族や家業が土地に根付いて代々続くという意味を持ち、細く長く幸せが続くことを祈願する食材です。
さまざまな薬効成分から健康を願うおせちとしても知られ、ごぼうをたたく動作は身を開いて開運に通じるといわれます。
また、ごぼうは豊作の年に飛来する「黒い瑞鳥(ずいちょう)」に似ているという説もあり、豊作の象徴とされています。
※瑞鳥とは良い出来事の前に現れる縁起が良い鳥のこと
~錦卵・錦玉子(にしきたまご)~
錦卵は、2段重ねや市松模様、渦巻状に仕上げる場合もあります。
「黄身」は「金」、白身は「銀」を表し、「二色」に「錦」を当てた縁起物のおせちです。
金銀の糸で錦の布が織られることから、「財宝」や「豪華」の意味が込められています。
「魔除け・厄除け」の意味を持つおせち料理
~蒲鉾~
紅白の蒲鉾として、正月のおめでたさを表現しています。
紅白で形どった蒲鉾は、初日の出を表すとされ、赤は魔除けや慶び、白は神聖や清浄を示すとされています。
~海老~
髭を老人に例えて「海老」と書き、茹でると年寄りのように腰が曲がるので、長寿でいられるようにとの願いが込められています。
また、海老は脱皮をしながら成長していくので、生命が新たに続いていくことや、出世を願うものとされていますが、赤色が魔除けの色とも言われています。
~菊花蕪~
冬が旬の蕪を菊の形に飾り切りしたもの。
菊は邪気払いと不老長寿を願う縁起物として扱われます。
「知性や文化の発展、学業成就」の意味を持つおせち料理
~伊達巻~
伊達巻は、もともと長崎県の「カステラかまぼこ」と呼ばれる料理です。伊達巻の名前はしゃれた身なりをした「伊達(だて)もの」の着物に似ていることに由来します。
巻いた形状が書物や掛け軸を連想させるため、知性や文化の発展、学業成就の願いが込められています。
「たくさんの福を運ぶ」意味を持つおせち料理
~お多福豆(おたふくまめ)~
ソラマメの仲間であるお多福豆の呼び名は、大きくふっくらとした「お多福(おかめ)」の面に似ていることに由来します。
お多福豆はたくさんの福を運ぶ縁起物として、古くからおせち料理などの祝いの席で使用されます。
「縁起を担ぐ」意味を持つおせち料理
~タコ~
関東より北では酢だこ、関西より南ではうま煮にするのが一般的です。
タコは加熱すると体が赤く吸盤が白く変わり、見た目が紅白になるため、縁起が良い食材として使われます。
また、「多幸」の字を当て、墨を出して逃げる様子を「苦難や困難を煙(けむ)に巻く」に関連づけて縁起を担ぎます。
~酢蓮根~
蓮根の穴を覗き込むと、その先が見えることから「先の見通しがあかるくなるように」という意味が含まれています。
「焼き物」としてのおせち料理
~鯛の姿焼き~
「めでたい」の語呂合わせはもちろんですが、恵比寿様が持つ魚としても晴れの食卓にふさわしい魚です。
~鰤(ぶり)~
冬が旬の寒ブリは、脂が乗っているところから”あぶら”⇒”ぶら”⇒”ぶり”とされたという由来や出世魚として”魚”に”師”と書くことで、出世魚のたどり着く先として扱われています。
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最後に
今回は時期的にもそろそろ気になる「おせち料理」、その起源やお重に詰められているそれぞれの具材の意味など、これまで長く受け継がれてきた伝統についていろいろ調べています。
最近は、デパート、スーパーなどで、洋風や中華風のもの、スイーツのみが入ったもの、高級料亭・ホテルがプロデュースしたものなど、バラエティに富んだおせちがあります。が、コロナ禍以降はネットで予約できるおせち料理も人気です。
毎年のようにきっちりとおせち料理を、ご自宅で作っていらっしゃる皆さまには頭が下がります。
このごろはいろいろなことが起きすぎて、心身ともにお疲れの方も多いと思われます。そんな今年だからこそ例年と少し嗜好を変えて、お家で作る「おせち料理」から前進。
誰かがせわしなく働くという習わしを捨てて、ご家族みんながゆっくりできる年末年始を目指して、おせちはネットやスーパーで購入してみてはいかがでしょう?
こんなときこそ大事なのはおせち云々よりも、けっきょくは遠く離れて暮らすご家族が年に一度集まって、家族全員が楽しくおいしい料理を食べたり、祝い酒を飲んだりできることなのかもしれません。
伝統ある「おせち料理」ではありますが、昔からの基本やルールを意識しつつも、今だからこその”ご家族でのんびり過ごせるお正月”を意識して、おせち料理を準備してみてはいかがでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。では、またです。