sannigoのアラ還日記

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ステロイド長期服用で脳に変化が!やっぱり筋力の低下だけじゃないのよ

こんにちはsannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私は重症筋無力症(眼筋型)という指定難病で、ありがたいことに特定医療費として医療費の一部を負担していただいています。

 

当然ながら、障がいには当たらないので年金はもらっていません。難病指定されている病気はいくつもありますが、なぜ難病指定されているのかといいますと、それは、治療方法が確立していないためです。

 

根治が難しいことから長期の治療を必要とし経済的負担を強いられる患者に、定められた基準に基づいて医療費を助成する制度の対象としている難病のことを「指定難病」と呼びます。

 

ただ、重症筋無力症(眼筋型)の症状である複視や瞼下垂などの症状に関しては、ステロイド薬と免疫抑制剤の服用で抑えることができるため、普段の生活に不自由を感じることはあまりありません。

 

ですが、ストレスや風邪などで体調不良に陥ることで、簡単に症状が再発します。昨日まで何の症状もなかったとしても、いきなり眼瞼下垂で片目がふさがってきたり、複視で手元の物から遠くの景色まで全てが2重に見える症状が出て慌てます。

 

再発するとかかりつけの医療機関で、一旦病気の症状を緩和するためステロイドを点滴で投与したり、普段から服用しているステロイド薬の量を増やしたりします。ステロイド薬は、がん、膠原病や神経系の病気の治療にもよく使われる薬で、安心安全とされています。

 

そして、症状が収まればステロイド薬を減量していくというこのステロイド治療方法を、「重症筋無力症」の診断がつく前から20年以上続けているのが私です。

 

私が普通の生活(仕事はリタイア)をしていて、不便と感じる長期間のステロイド服用の副作用についてお話したいと思います。

 

必需品のおくすり手帳と処方される薬のようす[写真AC]

 

 

 

ステロイド筋症

 

ステロイド治療に伴う筋萎縮、すなわち「ステロイド筋症」と呼ばれている症状を一度くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか?

 

このステロイド筋症は、ステロイド剤による副作用のひとつで、筋力・筋肉の低下を引き起こすものです。一般的には中等量以上(プレドニゾロンで1日20mg以上)のステロイドを服用している場合に多くみられます。

 

一般的には、ステロイドの使用量を減らすにつれて症状は改善されるといわれています。が、再発時は複視の影響で目のピントが合わず、部屋から出て階段の登り降りも怖かったりで、当然の引きこもり状態で日常生活の活動量は当然減ってしまいます。

 

その影響かも知れませんが、この筋力・筋肉の低下は現在の服薬量はわずかなのに、常に感じています。

 

更年期の症状で知られる「尿もれ」、これも筋力の低下によるものです。

 

たとえばくしゃみをした時にチョロっと尿が漏れてしまうあの症状が、ステロイドを服用し始めた30歳代からあります。1日40mg服用時はチョロっとなんてものではなく、ドバっという感じでしたが(笑)

 

重いものが持ち上がらない、ペットボトルや瓶詰めのフタが開かない、信号が黄色になって少し早めに歩けば太ももに激痛が走り、しばらく普通に歩けないなど、あげればキリがありません。

 

しかも、疲れやすいですし、階段の登り降りもキツイ、つまずきやすい、よろけやすいといった症状はずっと続いています。

 

大好きだったラグビー観に最近出かけなくなった理由は、もちろん仕事をリタイアしているため極貧が一番ではあるのですが、あの観客席の階段が怖くて仕方ないというのもあります。

 

ピントが合わないせいで、階段を転げ落ちたとしたら、怪我をするのは私だけではありません。当然巻き込まれる方が出てきます。しかも私ったら腹囲100cmの巨漢ですから、怪我だけで済まない被害が出るかも知れません。きっとニュースになってしまいます。

 

しかも、大腿骨壊死になりやすいという情報もあります。転んで”弱っちい大腿骨”が折れてしまうのも困ります。そんなことをあれやこれやと考えたら、安々とは出かけられなくなってしまったのです。

 

もうひとつ、血管がもろくなるんですね。そのため、ちょっとした圧迫で青あざができるのも困っている副作用です。荷物が入ったマイバックを腕にかければ腕には青あざ、ちょっと見「DVを受けているのかしら?」と思われそう。

 

さらに、ステロイド剤を長く使用しているとウツ症状になりやすいといわれますし、こちらも実感しています。

 

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最近、ライデン大学医療センター(オランダ)のMerel Van der Meulen氏らの研究で、ステロイド薬の使用で脳の構造が変化する可能性が報告されたとのこと。くわしく見ていきたいと思います。

 

長期間にわたるステロイド薬の使用で脳に変化

 

ステロイド薬とは?

 

ステロイド薬とは、副腎でつくられる副腎皮質ホルモンの一つを科学的に合成したもの。ステロイド薬の成分グルココルチコイドには、抗炎症作用、免疫抑制作用、血管収縮作用などがあるため、さまざまな疾患の治療に使われています。

 

今回のVan der Meulen氏らの研究では、ステロイド薬を点滴または錠剤によって全身投与を受けていた222人と、喘息や肺の治療のために吸入ステロイド薬を使用していた555人の脳画像データを、ステロイド薬が処方されていなかった対象2万4,106人の画像データを比較したそうです。

 

その結果、ステロイド薬を使用していない人と比べると、ステロイド薬を使用している人の脳の白質の整合性が低下していることが示されたとか。白質とは、異なる脳の領域間の情報伝達に関わる領域です。

 

また、ステロイド薬の全身投与は尾状核(脳の大脳基底核に位置する神経核)の灰白質の体積が大きいことに関連していたそう、一方では、吸入ステロイド薬の使用は扁桃体の灰白質の体積の小さいことに関連していたとのことです。尾状核と扁桃体はいずれも思考や記憶、感情の処理に関わっています。

 

研究参加者には認知機能と情緒的機能の評価も行われ、その結果、ステロイド薬の全身投与による治療を受けていた患者さんは、脳の処理速度を測定する測定する検査の結果が悪く、抑うつや無気力、落ち着きのなさ、疲労、倦怠感といった症状を報告した人の割合が有意に高かったそうです、一方、吸入ステロイド薬を使用していた患者で多かったのは疲労のみだっそうです。

 

今回の研究で、「長期間にわたってステロイド役を処方された人たちの中には、不安や抑うつ、そう状態やせん妄など、精神面への影響について報告する人がいるのは、脳の構造の変化によって説明できる可能性がある」との見解を示しているそうです。

 

さらに驚いたのは、Van der Meulen氏らのこれまでの研究では、ステロイド薬を処方された人たちは自殺リスクが7倍高いことが示されているということです。

 

これまでも、ステロイド薬は体内のさまざまなことを変化させるといわれていますし、長期間ステロイド薬を使い続けていれば、肥満になったり、脂肪が沈着したりするほか、体液量も変動する可能性があると報道されてきました。

 

本当に一番困っていることは、脂肪が沈着している状況で腹囲100cmなためか、何十年ぶりに会うような友人にも、まず一言目に「元気そうで何より」って言われてしまうほど元気マンマンに見えてしまうことかもしれません。

 

「いやいや!そうでもないのよ」なんて、病気のことを事細かに説明するのもおかしな話しですし、けっきょく誰にも会わないようにひっそり暮らすのが一番なのかも!?

 

参照元:

長期間にわたるステロイド薬の使用で脳の構造が変化する可能性、ライデン大学医療センター研究報告|@DIME アットダイム

 

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まとめ

 

今回は、自分の持病である指定難病「重症筋無力症(眼筋型)」のステロイド治療のため起きる筋肉萎縮、すなわち「ステロイド筋症」と呼ばれている症状や、最近知った長期間にわたるステロイド剤の使用で脳に変化が現れるという研究結果についての記事です。

 

長くステロイド治療を続けている患者さんが訴えることの多い「不安や抑うつ、そう状態やせん妄など、精神面への影響」は、脳の構造の変化によって説明できる可能性があるとの見解をVan der Meulen氏らは示しているとのこと。

 

心配なのは、この脳の変化がステロイドの服用をやめれば元の状態に戻るのかってことです。が、すでにアラ還世代です。

 

腹囲100cnにも現れているように、現在お腹周りやお尻についているたっぷりの脂肪は、ステロイドを減量、あるいは服用を中止しても取れないでしょう。これは実感として感じています。

 

もしかしたら、脳の変化をはじめとするあらゆる副作用も、これだけ長くステロイド薬を使用してきたからには元の状態には戻らないでしょう。

 

それでも、ステロイドがなかったら、病気を発症してから20年以上もこうしておいしいものをいただき、推しのYouTubeやバラエティ、ドラマ、映画を楽しみ、ブログを更新し続けることもできなかったと思うと、ありがたいお薬です。

 

ただ、これからもっと研究していただいて、脳の変化や肥満や脂肪の沈着(笑)などの諸々の副作用が軽減、もしくはなくなればいいなと思っています。

 

60歳を前にして、改めてこれまでどうにか周りの皆さんの援助や協力で生活できていることに感謝です。ってことで、今回はおしまい。

さいごまでお読みいただきありがとうございます。では、またです。