sannigoのアラ還日記

アラ還女sannigo(さんご)の穏やかな毎日を記録しています。

出たぁ!さわやかウォーキングで立ち寄った『白岩寺』に残る「幽霊の掛け軸」の怖ーい話

こんにちはsannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。

先日、いつもの「さわやかウォーキング」でバラの丘公園のコースに参加、途中かなりの急坂を登り『白岩寺(はくがんじ)』に立ち寄りお参りしてきました。が、そこで、いくつかの不穏なことばを耳にして、ゾッとした経験を書いていきます。

 

トレッキングシューズを履き、服装や帽子から「さわやかウォーキング」常連と思われる50歳代の女性は、「幽霊」「掛け軸」「たたり」などの言葉を発しながら、笑顔で本殿らしい建物の前を行ったり来たりしていました。お連れ様もいらっしゃるようで「おかしいね」「今回は残念だ」と話しかけています。

 

ちょっと怖いんですけど!幽霊が出るの?なんなの?と思いつつも、境内の景色の良い場所で友人と放しながらおにぎりをいただくと、そんなことはすっかり忘れ、その後のウォーキングを楽しみ無事に帰宅しました。

 

帰宅後ふとした瞬間に「幽霊?」って言葉を思い出し、ちょっと怖くなって調べてみることにしたのです。

 

なんということでしょう。ここ『白岩寺』には、「白岩寺の幽霊軸」という民話が残されていることがわかりました。あの60歳代の女性たちはこの民話の話をし、今回展覧されていないことを残念がっていただけでした。

 

ただ、怖いのは、これを写真に撮影すると不幸になるといわれていること。そもそも、展覧されていなかったので、なにも怖がることはなかったということで一安心!

 

ということで、今回は島田市御仮屋町にある『白岩寺』の詳細と、この掛軸の民話も一緒にご紹介しましょう。

 

さわやかウォーキングで訪ねた島田の蓬莱橋の東側の山にある『白岩寺』

 

 

白岩寺(はくがんじ)

 

急勾配な舗装された坂道をふーふー言いながら登ること10分くらい。そこには隠元禅師を宗祖とする黄檗(おうばく)宗の末寺で山号は都智山の『白岩寺』の境内が広がっています。

 

黄檗宗とは?ウイキペディアによると、江戸時代になってから伝来した新しい宗派で、江戸時代に中国から日本に招かれた隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師によって開かれており、中国式の考え方が強く、座禅に重きを置いているのが大きな特徴だそうです。

 

幕府はじめ大名等富俗層をバックに江戸期に繁盛したようですが、臨済宗や曹洞宗と並び、「日本三禅宗」として知られています。修行を行う際、「読経」よりも「座禅」が行われ、それによって自身を見つめ、悟りを開くという考えがあるそうです。

 

 

場所:静岡県島田市御仮屋町9957

 

《アクセス》


電車・バス:島田駅からバス[湯田線六合駅方面行き]乗車[栃山橋]バス停下車徒歩約20分
車:東名高速道路[吉田北IC]から17分
駐車場:北側に2~3台、道路側に20台あります。


さすがに急な坂を登ってきただけあって、ここからの景色はすばらしい。特に4月上旬頃には白岩寺境内から山頂付近に桜が咲き、春の風景を満喫できるそうです。

 

ここ白岩寺の境内からの眺めはすばらしい

 

白岩寺ノ登山口から約15分程で山頂の白岩寺公園に到着するハイキングコースもあるようです。山頂からは市街地、富士山、大崩、伊豆半島、静岡空港、牧之原大茶園、粟ヶ岳まで200度以上の大展望が広がるとか。脚に自信のある方はぜひ!

 

では、そろそろ本当の怖い話、今も残る円山応拳作と云われる『幽霊の掛け軸』の話を始めましょう。

 

今も残る円山応拳作と云われる幽霊の掛け軸

 

西国三十三ヶ所のお地蔵様

 

白岩寺は隠元禅師を宗祖とする黄檗宗の末寺で山号は都智山。隠元禅師の法統を継ぐ宝山最頂禅師が、当時の島田代官長谷川藤兵衛と、小塩孫十郎真之の助力により寺は建立されました。

 

白岩寺の寺号は以前島田北部の伊太村白岩に朽ちかけた禅寺があり、その堂の再興を意味することと、地名をとって「白岩寺」と名付けられました。

 

1714年(正徳4年)の火災で伽藍が焼失し、彦根城主井伊候の寄進によりまもなく再建されました。

 

境内地にある地蔵堂の本尊地蔵菩薩は慈覚大師の作といわれ井伊候の婦人、栄香院殿が寄附されたものです。また、堂内には千体地蔵菩薩、弘法大師の木像などが安置されています。

 

白岩寺の秘蔵に、円山応拳の筆といわれる乱れ髪の湖畔に立つ幽霊の掛け軸があります。

 

この掛け軸は画に精魂が宿っているのか、掛け軸の代々の持ち主に不思議な出来事が起きるため、転々と人から人へ譲り渡され、最後に白岩寺に納められることとなったとのことです。

 

※この掛け軸を見たい方は事前に連絡が必要です。
(2022年9/11追記、しばらくの間、掛け軸の展覧は一時休止されています。

 

~白岩寺の幽霊軸~ 島田の民話より

 

今からおよそ230年ほど前のこと。ひとりの若者が立派な絵描きになろうと東海道をひとり、絵の修業を積みながら旅を続けていた


島田の宿にやってきてある旅籠に泊まったときだった。

 

(今日も何か描かなければ・・・。何を描いたらよいかさっぱり画題が浮かんでこん。こんなことではとても絵描きにはなれん・・・)

 

と、何か描こう、描こうと思いながら時を過ごしていた。いつか夜更けになってしまって、旅籠はしんと静まり返っていた。

 

若者は用便に立って廊下に出ると、向こうの廊下の暗がりの中にぞーっとするような女の姿が飛び出してきた。

 

若者は驚いてガタガタ震えだしたが、なんでも見てやろうという絵かきの気持ちが逃げ出したくなる心を抑えて、じっと目をこらして見た。

 

すると髪を振り乱し着物の裾を乱しながら、ふわりふわりと歩いている、なおよく見ると、青白い顔をして痩せこけた女であった。

 

「うーむ 恐ろしい女の姿だ。」

 

若者はよしこれを描いてみようと思って、その夜はひとまず布団をかぶった。ところが、目をつぶればぼーっとさっきの女の姿が浮かんでくる。眠ろうとしても、頭の中に幽霊のような女が、ますます強く浮かび上がってくる。

 

とうとう、夜が明けてしまった。明るくなると、さっそくそれを絵に描き始めた。明けても暮れても部屋へ閉じこもって恐ろしい女の絵を描き続けた。

 

幾日かのち、やっと絵はできあがった。若者が夜見た通りのすざまじい姿の絵であった。筆を置いて描きあげた絵を眺めていると、旅籠の女が御膳を運んできた。その絵を見るなり

 

「ひゃーあ、ゆ、ゆうれい」

 

と、御膳を投げ出して逃げていってしまった。

 

若者はせっかく描いた絵だが、こんな気味の悪い絵を持ち歩くのも気が重く、くるくる巻いて旅籠の主人にくれて旅立っていった。

 

若者の去っていったあと、旅籠の主人はその絵を開いてみた。あまりのすごさにびっくり仰天。ぞっと背筋が寒くなり

 

「こりゃあ、またなんと恐ろしい絵をもらったもんだ。こんな絵、とても飾っておくわけにゃあいかん。」

 

と、またぐるぐる巻いて、戸棚の奥にしまいこんでしまった。

 

それからしばらくして、旅籠の主人はどうしたことか、体の具合が悪くなって寝込んでしまった。よくないことばかり起こるようになったので、占い師を呼んで見ておらうと、

 

「この家にある幽霊の絵に魂が入っているから、そのさわりが出るようじゃ。」

 

という。宿の主人はしまいこんであった絵を思い出し、あわててそれを取り出して、人にくれてやった。

 

すると、スーッと憑き物が落ちたように、体が軽くなって病は治ってしまった。元気になると、旅籠も繁盛するようになった。

 

ところが、今度は絵をもらった人の家によくないことが起こり始めた。

 

「こりゃあ、お寺におさめて、魂を鎮めてもらわにゃだめだ」

 

と、その家の人は白岩寺に持っていった。

 

この絵を描いた若者は、のちに名高い絵かきになった円山応拳だったという。

 

参照元:観光情報|一般社団法人島田市観光協会 

 

最後に

 

「さわやかウォーキング」で約10kmを歩いても、きっと、バラの香りで気分爽快になるはず!というコンセプトで同居人と出かけた島田市。

 

コース表には『白岩寺』について特に説明もなかったので、前日ネットで調べることに。ですから、かなりの急坂を登るらしい!ことだけは承知していました。

 

横断歩道を渡ってさあ「白岩寺」へという場所で、そのまま素通りして次の見学地に向かう人が多数居たことも、「きっと急な坂道がいやなんだろう。」と、納得していました。

 

さすがに、実際こちらの登山口の入口で杖をお借りしたにも関わらず、私にとってはかなりの「ぜーぜーはーはーコース」。何度水分補給を言い訳に休憩をはさんだことか。

 

やっと白岩寺にたどり着き、ホッとしながらお参りしている時に、「幽霊」やら「掛軸」「たたり」ということばを聞いて、臆病者の私は震え上がりました。

 

調べたらなんてことはない「こわい民話」が残されているということでした。ただ、写真に納めると不幸になるとか、展覧されてなくてよかった(笑)

 

この記事を読んで、坂はきついし、怖い民話も残っているなんて。と思われるそうですが、実は『白岩寺』のちょっと上にある「白岩寺公園」からの夜景は素晴らしいというお声もあるようです。

 

私を含め怖がりさんにとっては、『白岩寺』に夜出かけること自体がムリかも!?ですが、勇気ある夜景ファンの皆さんならきっと、出かけたことがあるのでしょう。いかがでした?きれいでしたか?何かしらと出会いましたか?

 

ということで、今回はおしまい。最後までお読みいただきありがとうございます。

では、またです。