sannigoのアラ還日記

アラ還女sannigo(さんご)の穏やかな毎日を記録しています。

三ケ日の『初生衣神社(うぶぎぬじんじゃ)』で感動のおみくじ体験

こんにちはsannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。

先日お参りさせていただいた静岡県浜松市浜名区三ケ日町にある、機織りの神様「天棚機姫命(アメノタナバタヒメノミコト)」をお祭りする『初生衣神社(うぶぎぬじんじゃ)』での感動したおみくじのお話です。

 

二礼二拍手一礼で「世界が平和になりますように!」と、普通にお参りした後に見つけた”布を丸めたおみくじ”のことです。「これってどこにおみくじがあるんだろう?」という素朴な疑問を持って、2024年初めてのおみくじを選ばせていただきました。

 

くるくると巻かれた布を開くと、そこにはあまりにも感動的なおみくじが挟まれていたのです。和紙なのかな?ちょっと厚めの紙にはなんと丁寧な手書きで「吉」という文字と、”人生に楽しみが増す 干し柿 白 南東”と書かれていたのです。

 

60年以上生きてきて初めての体験でした。昭和世代「効率!合理的!」で突っ走ってきましたが、すでに、世の中は丁寧に暮らす時代へと変わっていたのです。現在はこのおみくじをいつも見える棚に吊るし、「丁寧に!やさしく!」と心がけて干し柿をかじりながら暮らしています。気づかせてくれて本当にありがとうございます。

 

ということで、今回はこの素敵な『初生衣神社』について調べていきたいと思います。

 

三ケ日の『初生衣神社(うぶぎぬじんじゃ)』の鳥居

 

 

初生衣神社(うぶぎぬじんじゃ)

 

 

場所:静岡県浜松市浜名区三ケ日町岡本696

 

《アクセス》

 

電車・バス:天竜浜名湖鉄道[三ケ日駅]から(約1km)徒歩約15分

車:東名高速道路[三ケ日IC]から(約5km)約10分

駐車場:境内の横、道路沿いに細長くあります(2~3台)

御朱印:近く(歩いて5分)の濵名惣社神明宮にて書置きの御朱印がいただけます

 

三ケ日の『初生衣神社』の御朱印

おみくじ:感動の「布を丸めたおみくじ」をはじめいろいろあります

 

布が丸められたおみくじと、感動の手書きのおみくじ

 

『初生衣神社』は、古くから伊勢神明初生衣社、または濵名斎宮と称され、機織りの祖神である「天棚機姫命(あめのたなばたひめのみこと)」を祭ります。

 

1155年から三河産の糸で御衣(おんぞ)を織り、伊勢神宮に納めてきたと伝わります。

 

手水舎もお花でいっぱいでさわやかです

 

かつては伊勢神宮の神領で御厨(みくりや)でもあり、遠州織物発祥の地とされる三ヶ日町に鎮座する『初生衣神社』の主祭神は機織りの神様「天棚機姫命(アメノタナバタヒメノミコト)」です。

 

初生衣神社の鳥居と、案内板

 

『本堂』の横を通り参道を進みます

 

社格は県社で、こちらの『織殿』は浜松市の有形無形文化財に指定され、江戸末期に使われていた織物も保存されています。ただ、私の訪れたとき(2024年2月12日)は工事中で残念でした。境内には機を織る織機と、江戸時代後期の機織り機があるそうです。

 

工事中の初生衣神社の『織殿』は浜松市の有形無形文化財

 

『初生衣神社』は、遠州織物の発祥の地としてよく知られ、平安時代から伊勢神宮に奉納する「神御衣(かんみそ)」を織ってきました。御衣(おんぞ)は、天照大神が天の岩戸から出てきたときに着たとされる衣です。

 

皇大神宮(内宮の中心となるお宮)の神衣を納める神事を担う他に類のない特別な由緒を持ち、御衣様と呼ばれ親しまれているだけでなく、「遠州織物発祥の地」として慕われており、ここの宮司のみが「神服部」の姓を名乗れるそうです。

 

有名デザイナーやアパレル関係の大御所の方もお参りに来たと噂もあるとか。しかも、豊田佐吉が最初に豊田織機を作った場所も近く、世界のトヨタは初生衣神社の「織殿」から始まったと言えるかもしれません。

 

のどかな景色が似合う『初生衣神社』の織殿の案内板

 

小さな神社ですが、由来は古くここで織った織物「御衣」を毎年お伊勢さんに5月15日奉献し続けているそうで、なんと800年も続いているとか。

 

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おんぞ祭り

 

現在「おんぞ祭り」は4月第2土曜日PM2時より行われているそうです。遠州織物発祥の地として、伝統ある神事「おんぞ祭り」は、ここで赤引きの糸を使い初生衣神社の「織殿」で織られた織物「御衣」を伊勢神宮へ奉納する祭のことです。

 

PM2時になると初生衣神社から隣の濵名惣社神明宮内『天棚機姫命社』まで、約5分程かけて神官を先頭に「太一御用」の旗を持った人々が向うのです。

 

濵名惣社神明宮の摂社天棚織姫社(織姫の神)に奉納してある「赤引きの糸で織った御衣」を唐櫃に移し、初生衣神社まで戻ります。

 

唐櫃から「御衣」を本殿に奉納する神事が始まり、優雅な浦安の舞や最後には餅投げで締めるのです。あまい甘酒や無地の布をいただけることもあるみたいです。

 

神御衣は初生衣神社のおんぞ祭りが終わると、豊橋市湊町神明社の送られ、5月14日に再度湊町神明社の盛大な御衣祭奉献の神事の後、渥美半島伊良湖港からフェリーボートで鳥羽港、そして伊勢神宮へ奉納されます。なお、伊良湖神社でもおんぞ祭りが行われるそうです。

 

伊良湖神社では御祭神として「栲幡千千姫命(タクハタチヂヒメノミコト)」という織物の神様をお祀りし、初生衣神社と同じく4月には「おんぞ祭り」が執り行われています。

 

同様に豊橋市の豊川河口にある湊町神明社でも「おんぞ祭り」が執り行われていますが、これは豊橋から船で神御衣を運んだことにちなんだもののようです。

 

江戸時代になると神御衣を唐櫃に納め、「太一御用」の旗を打ち立て、本坂峠経由で豊橋市の豊川河口まで出て、そこから三河湾と伊勢湾を船で運ぶようになりました。

 

しかし、それ以前は、浜名湖を船で新居まで下り、渥美半島の「伊勢街道」を陸路で伊良湖まで運び、海路で伊勢まで運んでいたとのこと。かつて伊良湖は伊勢の国に属していたとも聞きます。

 

そういった意味では、三ケ日〜渥美半島〜伊勢は、まさに「日本版シルクロード」に例えることもできそうです。渥美半島先端から伊勢に向かう船が出航する中継点にある伊良湖神社も、神衣奉納の上で重要な役割を担っていたことでしょう。

 

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赤引きの糸の旅

 

三河大野に赤引温泉があります。その周辺からは上質な山まゆが取れたといいます。伊勢神宮に奉納されるという糸は赤引温泉で身を清めた女工さんたちが糸を紡いだと伝えられています。

 

その糸は亀割峠を越えて三ケ日の初生衣神社へ届けられました。織殿で御衣に仕立てられ、おんぞ祭りを終えて豊橋の湊神明社に送られたのです。

 

豊橋のおんぞ祭りは三ケ日岡本から送られた唐櫃を神殿に奉納したあと、女子がおんぞ歌「出処は岡本様よなーおんぞ ヨイヨイ ヨイヨイ・・」を歌いながら踊るそうです。その後、伊良湖に立ち寄り伊勢神宮に送られたのです。

 

その名残で伊良湖神社でもおんぞ祭りがおこなわれています。おんぞ祭りは日送りの行事のようにつながっているようです。

 

参照元:https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/documents/151158/15minzoku_29420_marked.pdf

 

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最後に

 

2024年初のおみくじを『初生衣神社』で引いたというか、選んだ私がすごく感動したというお話でした。ただ、この『初生衣神社』は遠州織物の発祥の地とされますし、創建870年を迎える古社としても訪ねる価値のある神社だと思います。

 

毎年行われる「おんぞ祭り」も魅力的ですし、何より伊勢神宮へ御衣を運んで800年とか!すごい神パワーを感じませんか?しかも、主祭神は機織りの神様「天棚機姫命(アメノタナバタヒメノミコト)」ですよ。七夕姫なんですよ。ロマンを感じちゃいます。

 

ちなみいに、新聞記事で知ったのですが、女性の神職がいる神社は町内ではここ『初生衣神社』だけだそうです。心のこもったおみくじも、もしかしたらこの方のアイデアかしら?本当に感動しました。ありがとうございます。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。では、またです。